2021/11/29 15:51


【真鍮製品について】


 基本的に食器として制作しておりませんが、ご使用していただくことも可能です。

 食器としてご使用された場合、一般的な食器と同じように食器用洗剤や重曹で洗った後、水で良くすすぎ、確実に水気を拭き取ることが大切です。

そのままでで長時間放置した場合、黒ずみやシミなどの原因になり重曹などでも落ちなくなったりします。

また、スポンジの裏についているコゲを落としたりする荒い部分や、硬いスポンジや布でゴシゴシ擦ると、艶のある部分は細かい傷がつきマットな表情になり風合いが変わってしまいますので柔らかいものをお勧めします。

 仮にマットになり気に入らない場合には、サンディングの説明を見ていただくとご自分でも表情を変えることができます。

 変色したり色むらになった部分があったとしても毒ではありません。気になる方は緑青の説明をご覧ください。


 五円玉や十円玉をしばらく握ってピリピリするような方は極度な金属アレルギーの可能性が疑われます。

長時間、直接肌に触れるようなアクセサリーでなくても、お心当たりのある方は十分にご注意ください。


【真鍮のお手入れ方法】


その前に、まず真鍮の特性を理解されると尚良いかと思いましたので簡単にまとめてみました。


真鍮とは、銅と亜鉛で構成されている合金の総称で、黄銅やブラス、真中と言われたりもします。

管楽器を複数で演奏する形態をブラスバンドと呼ぶのは、管楽器が真鍮製だからなんですね~


真鍮は風化して行く独特の色味や風合いが魅力的な金属でもあります。

ですが水分によってシミや黒ずみ、さらに変化すると緑青(ろくしょう)が現れます。

緑青とは読んで字のごとく、いわゆる青緑色の青サビのことを言います。

5円玉(真鍮)や10円玉(銅)の古いものや、銅像(ブロンズ像)などが緑がかっている、アレですね。


サビと言うとボロボロに朽ちて行く様なイメージですが、鉄に現れる様な茶色のサビとは違い、銅は酸化皮膜と言って表面に皮膜を形成することで内部の腐食を防ぎ、更に抗菌効果作用も持ち備えていると言う優れもの。

自分の身は自分で守ると言う特性を持っているんですね。


そんな緑青ですが、日本では昭和の頃までは猛毒とされていました。

現に私も子供の頃、親から舐めるな触るなと言われていた記憶があります。

しかし厚生省が1981(昭和56)年に研究班を設け、緑青の主成分である塩基性炭酸銅について、1984(昭和59)年までの3年にわたり研究した結果、塩基性炭酸銅の毒性はさほど強いものとは考えられないとの公式発表をしていることから現在では無毒となっています。


猛毒とされていた理由には、銅の精錬の現場において中毒症状が多く見られたそうです。

ですがその原因は、銅の鉱物に多く含まれるヒ素が原因であったことが緑青猛毒説につながっていた様です。

銅や亜鉛、また銅イオンや亜鉛イオンには毒性はなく、逆に亜鉛イオンは必須ミネラルの1つとされています。

銅製の鍋をシェフが選ぶ理由はこの辺りにある様ですね。