2021/11/29 15:51


【金属アレルギーについて】


金属アレルギーとは、金属から溶け出した金属イオンに免疫が過剰反応してしまう状態を言います。

真鍮で金属アレルギーが起こりやすいのは、真鍮がサビやすいと言う理由からです。

五円玉や管楽器などを汗がついたまま放置すると、すぐに青緑色のサビでくすんでしまいます。

このサビは、先ほどの緑青=金属イオンのこと。

この金属イオンに敏感な方が、かぶれやかゆみなどの金属アレルギーに反応してしまいます。


5円玉をずっと触っているとピリピリとした感じを感じられる方は真鍮製品で反応してしまう可能性は大きです。

銅イオン、亜鉛イオンのどちらもが金属アレルギーの原因になりやすい物質の様です。


結論は、緑青は無毒ではあるものの、アレルギー反応は引き起こす、と言うこと。

ではアレルギー反応を防ぐには、真鍮が直接肌に触れない様にする、もしくは緑青(サビ)が出ない様にするしかありません。

その方法としては。。。


①:クリア塗料やマニキュアのトップコート、プラスティックコーティングや金属アレルギー用のコーティング剤などを塗る。

②:真鍮製品の表面に、銀メッキや金メッキを加工する。

③:真鍮以外の金属のものを選ぶか、真鍮以外の金属に作り替える。

この様なことになるのかと思います。


①②は、コーティングしたことによって、風化して行く風合いは楽しめなくなります。

また、コーティングが剥がれ真鍮が剥き出しになれば効果はなくなります。

ですので、チェーンの様な常に動いて擦り合う様なものにも向いていません。


③は、確実ではありますが、もはや真鍮製品ではないですし費用も嵩みますので話が変わってきます。

もしそれでも真鍮の色合いや風合いに魅力を感じている方がいらっしゃるのなら、非常に嬉しいですし私は応援したいですが、方法としては、とにかくこまめに手入れして緑青を出さないことが有効ではないかと思います。

ただこれについては、ピアスや指輪、ネックレスなどの直接肌に触れるものはコーティング以外難しいところですが、ブローチやピンバッジや豆皿なんかの様にほとんど触らないものであれば問題ないですよね。


基本的に金属アレルギーは、皮膚科へ行って金属アレルギーの検査をしなければ、どの金属に反応しているのかは特定できません。

ですが既に検査を受けられたり、アクセサリーを身に付けたことで痒くなったりかぶれたり、ピアスの穴が化膿したりと経験がある方は、これらの情報をもとに試してみるのも一つの方法と言えます。


さて長くなりましたが、いよいよここからお手入れの方法です。


真鍮について知っていただいた上で、真鍮や銅の表面のお手入れとはどう言うものなのか?

それはお客様個々の趣味や嗜好が最優先で、気に入った色味や雰囲気をキープしたい場合にどうしたら良いかと言うことになるのかと思います。

そしてこのお手入れとは、あくまでも表面の質感や色味のことであり、傷についてのお手入れはまた別で、ご興味のある方は後の説明も読んでいただけたらご理解いただけると思います。

特に女性の方は、お肌のお手入れやメイク、ネイルの知識と実はすごく似ているものなので、文面で読む以上に一度理解してしまえばそんなに難しくないのではと思います。


基本的には、とにかく表面に付着した油分などをできるだけ早いうちに食器用中性洗剤で洗い、よく水ですすぎ、確実に水分を拭う、と言うことが日常でできる簡単で大きなポイントになります。

自然乾燥にした場合、残っている水分が逆にシミや黒ずみの原因になる可能性があるので、とにかく水分は確実に拭き取ることが肝心です。

また、酸素に触れることによって腐食(変色)します。

ですので、商品の出番が少ない時や長期間使用しない場合は、ジップロックなどの密閉できるものに新聞紙や紙質の梱包材などでくるみ保管されることをお勧めします。