2021/11/29 15:48

【サンディング(研磨)について】


表面についた細かい傷よりも更に深い傷を消したい場合、その傷と同じ深さまで削ってあげないと同じ高さにならないため、無傷の表面にならないと言うことになります。

なので、深い傷ほど処理は大変になるし、深すぎたり面積が大きすぎたりすると元どおりには戻らなくなると言うことにもなります。

また、表面を削るわけですから、対象物の厚さが薄くなると言うことなので、元々薄いものにおいては削りすぎると当然強度も落ちます。


人間と同じで、深ければ深いほど傷や病気などのトラブルは治りにくく、早期発見、早期治療が基本と言うことになりますね。

ですのでもとに戻らないものにおいては当然好みもありますが、開き直ってその傷を生かす方を考えた方が良い場合もありますね。

怪我の功名、ポジティブに捉えて柔軟にうまく利用すれば新しいものに生まれ変わったりします。

例えば、傷を増やしてやれば柄にも絵にもなるかもしれないし、傷の部分に色を入れてあげてもいいだろうし。。。

もし廃棄を考えるのであれば、捨てる前にぜひ遊んでみてほしいですね。


復活や再生という意味でのサンディング(研磨)をもっと簡単に言うと、鍋やフライパンについた汚れを落とす作業を思いだしてみてください。

簡単に落ちる汚れは言うまでもありませんが、こびりついた頑固な汚れについては、こびりついたものを剥がしやすくするためにまずお湯や洗剤水に浸け置いた後に、スポンジやたわし、スチールウールなんかで擦りますよね?

擦る際に目の荒く硬い材質のスチールウールなんかでゴシゴシと擦った場合、コゲは落ちたけど逆に傷がひどくなることもありますよね?

そのために研磨する道具にも用途に応じた材質や硬さ、形などがたくさんある訳です。


さてサンディングする道具ですが、用途に応じて無数にあります。

電動工具がない場合、大きく分けて一般的にサンディングペーパーがあります。

普通の乾式は乾いたまま使用するタイプ、水研ぎ用サンディングペーパーは水に濡らしながら研磨するタイプ、サンディングスポンジは両方大丈夫な上に柔らかいので、平面だけでなく立体にも扱いやすいです。

またピカールの様に、超微粒子系のコンパウンドと言うものもあります。

コスト面ではやはりペーパーやスポンジ類がお安くつきます。100均でもセットで購入できたりします。


サンディング(研磨)する道具には基本的に番手(ばんて)と言って、目の粗さ(粘度)に規格があり、番手の表現は、#60(60番)の様に記載されています。


一般的には、#40~#100までを 粗目 、#120~#240までを 中目 、#320~#800までを 細目、#1000~を 極細目 と呼び、研磨の仕上がりの目安としています。これ以上は研磨フィルムと言うものに。

荒いものから細かいものへ、一つ前の番手のこすり傷を消す様に、段階を踏みながら研磨して行くのが基本になります。


気をつけなければいけないのは、ひとつ前の番手のこすり傷が確実に消えていない場合、鏡面に近づくにつれて残った細かい傷が浮かんできます。

そうなると浮かんだ傷の番手までまた戻らないといけないため、荒い番手の段階で確実に消して行くことが2度手間にならない最大の方法です。


マットに仕上げたい場合は番手を上げすぎずに、傷にもよりますが、

#80くらいから、#120、#240、#320、#400くらいで止め、


艶が欲しければ、金属磨きクロスや液体や固形の研磨剤で軽く磨くと、マットな表情に艶、と言う雰囲気になります。


ピカピカにするにはこの番手を更に上げていけば、段階ごとに鏡面化して行くので、

お好みでどこで止めるかと言う具合になります。


 塗装やペイント、ボンドなどの接着をしたい場合は荒れている方が表面の窪みも多く、塗料やボンドなどの液体が剥がれにくくなります。

逆に言うと表面がツルツルに近づくほど剥がれ安くなってしまいます。

テープ系の場合は表面がつっとしている方が粘着力が上がる製品もあります。

 

【まとめ】


 深い傷はあきらめなければならない場合もある。

 傷を消したい場合は、その傷の深さまで全体を削る必要がある。

 ものによっては削ることで強度は下がる。

 削り具合は好みに応じて調整する。

 消せないくらい深い傷は、生かすことに発想を変えてみる。